2014/04/13
長面浦尾ノ崎地区の風景を読む勉強会
Session on reading the landscape of the village of Onozaki located by Nagatsura-ura lagoon
廣瀬俊介 (ランドスケイプデザイナー、東京大学空間情報科学研究センター協力研究員)
Shunsuke HIROSE (Landscape designer, Cooperative Research Fellow of the Center for Spatial Information Science at the University of Tokyo)
尾ノ崎自治会の依頼を受けて、石巻市河北総合センターにて行った講演「豊穣の入り江を抱えた美しいふるさとを思う」の全スライドを掲載します。
尾ノ崎地区他の長面浦周辺は石巻市災害危険区域指定を受け、非居住区域とされています。移転先は同地区から遠く、長面浦で牡蠣養殖業をする方々を除く人々にとっては、「ふるさと」との関係が希薄にならざるを得ない状況に置かれることになります。
それに対して、牡蠣養殖業を営むことを通じて長面浦に今後も関わる方々を中心に、ふるさとを再生し、地区を離れた方々に時々は訪ねてもらおう、そして「豊穣の入り江を抱えた美しいふるさと」を次代に受け渡そうという動きが生まれ始めています。
こうした中、「ふるさとの風景の価値」や「ふるさとをつくるということは、どのようなことなのか」など、主に自治会長からいただいた問いかけに答えるように、本講演内容を構成しました。
なお、当地でも防潮堤の嵩上げに関した議論があり、市は現況より1m高くする案と8m高くする案の二案を自治会へ提示しています。これを受けて、正式に市へ回答をする前に勉強をする機会としても、本講演は位置づけられました。
私は、水陸の境界に規模の大きな構造物を建設することによる物質循環の阻害と生物生産への影響を主に、この件については事実の説明および問題提起を行っています。
参照 / Ref
竹内昌義「通い漁業のゆくえ—石巻市河北町長面浦の漁業再生を目指して」『建築雑誌 vol. 128, No. 1650, 2013年10月号』日本建築学会、pp. 2-3 (PDF)
http://jabs.aij.or.jp/earthquake/eq_repo_1_22.pdf